こだわり通信
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第130号〜
第120号〜
第77回 こだわり通信 
2009.12.16

いつもありがとうございます。
今年も早いものであと1ヶ月を残すのみとなりました。 今年の初めに「こんな1年にするぞ!」と思い描いた内容になりましたでしょうか? 時間は無限にはありません。いつ何が起こるかわかりません。悔いの無い年にするため、あと1ヶ月の毎日を一瞬一瞬全力を出し切り、一所懸命行動しましょう。
そんな中今回は、「人間は不完全であり、自分も相手も完全ではない。だから責任はみんなのもの。」という観点から、ある家族のお話をしたいと思います。

「うちの家族はみんなが悪い」
今日私が学校から帰ると、お母さんが「お兄ちゃんの机を拭いていて金魚鉢を落として割ってしまった」といいました。
するとお兄ちゃんは「僕が端っこに置いておいたから、僕が悪かった」といいました。
でも私は思い出しました。昨日おにいちゃんが端っこに置いたとき私は「危ないな」と思ったのにそれを言わなかったから私が悪かったといいました。
夜、帰ってきてそれを聴いたお父さんは「いや、お父さんが金魚鉢を買うとき、丸いほうでなく四角いほうにすればよかったなあ。お父さんが悪かった」といいました。
そしてみんなが笑いました。
うちはいつもこうなんです。
うちの家はいつもみんなが悪いのです。

私もそうですが、問題がおきたとき、つい相手のせいだと思ってしまうことってありませんか? もしもそれが本当の原因だったとしても、自分には何一つ責任は無かったでしょうか?
相手のせいにしていては、なりたい自分にはなれないし、幸せな将来を掴むことはできないように思います。 完全な人間なんていません。もしいるとすれば、それは神様です。 人間は不完全なのです。ですが、完全になりたい、もっと良くなりたいと考えることができる。それが人間のすばらしさだと思います。
私は「人事を尽くして天命を待つ」という言葉が好きです。 自分を信じ、他人を信じ、今自分がやるべきことを本気でやりきり続けていれば、必ず運がついてきます。是非こうありたいと思います。 年末お忙しくなりますが、皆様くれぐれもご自愛いただき、良い年越しにしてください。
今後とも宜しくお願いいたします。

柴田屋酒店 柴健宏


【今月の目次】
こだわりの良店紹介「PIZZERIA BAR okei
「お客様応援室」より〜山本マスヒロ氏講演
緊急提言!



“KODAWARI”の良店紹介
「しあわせ」「たのしい」想いを形に
「PIZZERIA BAR okei」

PIZZERIA BAR okei□こんなお店です
新橋駅に近いとはいえ、こんな路地の奥によくお店を出したなあと思います。オーナ ーの片寄様に素直にお聞きしたら、駅から近いけど目立たない場所を探していたとの こと。うーん、思い通りの立地ではないかと思います。店内に入ると中央にオープン キッチン、それを取り囲むように客席があります。黒板やメニューブックを見させて いただくと、プロ的視点で考えると多すぎるほどのメニュー数。私が語るより、片寄 様に直接語ってもらいましょう。

お店は開業してから、4年がたちます。
飲食に入る前は広告代理店にいました。何故飲食店をやったかというと・・うーん子供のときの夢だったのと、自分の店が持ちたかったのですね。ちょうど他の会社へ転職を決めた時に自分の履歴書見てたら「18歳のときにアルバイトをしていた居酒屋のことを思い出すと、とても楽しかったなー」って。それで転職を辞めて、飲食の世界へ入りました。 それと店を持つというのは、人とのコミュニケーション第一、常にプレゼンをし続けていくという意味では広告代理店と飲食も同じだと思いましたね。
ただ、圧倒的に違うのは、この仕事は伴侶や子供に自分の仕事を直接見せる事ができるじゃないですか。これがお父さんのお店だよとか、お父さんが作ったピッツァだよとか。夢がある仕事だと思います。
店名ですか。私の名前が雄啓(たけひろ)と言うのですが、これを音読みしてOkeiです。あんまり何もかも深く考えているわけじゃないんです。お店のコンセプトは「一人で来れる At home・みんなで来れる Friendly」です。この店は自分のできることしかできない。自分のしたいことしかしない。気持ちの伝わるお客様集まる店にしたいですね。
最初はシェフと二人で営業していたのですけど、今は私を含めて5名でやっています。
え、メニューですか。最初は今の半分ですね。スタッフがやりたいこと。やらしてあげたいことをやっていったら今の数になってしまいました。 本当に私はスタッフとお客様に幸せにしてもらっていると思っています。ですから、スタッフにもお客様にも幸せになってもらいたい。心底そう思って営業していますし、会社としても経営しています。
スタッフは全員社員です。福利厚生をきちんとする。休みをちゃんと取る。それを当たり前として経営していかなければならないと思います。ですので 経営状態はスタッフ全員がわかるように完全にガラス張りですよ。給料も、この世界では低くない額を支払っています。これが一番の経営者としてのスタッフへの感謝の方法だと思います。

1ページでは伝えきれない。半分も書ききれないお店と素敵なスタッフでした。
※ 2009年11/24 同ビル3階にビストロokeiオープンしました

住 所 港区新橋1-14-8 有信ビル2階      
新橋駅SL側下車、マックの交差点(外堀通)を渡る。霞ヶ関方面 に1ブロック。Brick House(シャツ工房)の路地を右手に入る。 1ブロック行くと、イタリア国旗が見えるので、階段登って2階
電 話 03-3597-5225
営業時間 17:30〜25:00
定休日 日、祝日
席 数 23席
客単価 4,000円 
URL http://r.gnavi.co.jp/a707500/?no=

お客様応援室 出 和樹

「お客様応援室」より~山本マスヒロ氏講演

こだわり通信愛読者の皆様こんにちは。
街を歩いていると、大手チェーン系から個人店まで均一価格の低価格居酒屋が一気に増えたように思います。 個人店だと急遽価格だけを変えて始めたように見えるお店も多いのではないでしょうか。それぞれの経営者の考えがあるので、低価格帯居酒屋を一概に否定はしませんが安易な業態変更は危ないと感じています。
本当にお客様は安ければ来るのでしょうか。
いくら安くともそこにお客様を満足させる価値が無ければ一過性のものになってしまうように思います。価格に価値があると言われると返答に困りますが・・・・ 例えば、300円均一という看板を打ち出したとしましょう。原価的にビールはもうアウトですね。そうすると 料理のほうで利益を考えなければならなくなります。その時に300円で売れるモノを探していないでしょうか。 私が感じ危険がそこにあります。300円で売れることのできる食材を探す。低価格帯の居酒屋に揚げ物が多いのはそういうことでないでしょうか。低価格で売れる店になるためには300円で売れるものを探すのではなく、 どうしたらこの商品を300円で売れるようにするかを考えていかなければ、業態としての成熟はないと思います。そういった点で「鳥貴族」さんは凄いなあと感じます。

先日、料理評論家の山本マスヒロ氏(先生と呼ぶとおこられました)の講演をNPO法人「繁盛店への道」で 行いました。お話しは今年ミシュランで三ツ星を獲得した京都「千花」の先代ご主人との交流の中で自身が学び、成長させてもらえた経験をお話し頂いたのですが、山本氏の軽妙洒脱な語り口とともに、山本氏の飲食店に対する愛情をたくさん感じる内容でした。
この講演企画を考えたのも、山本氏の著作「そんな食べ方ではもったいない」を読んだ時に、なんとなくお店に対する愛情があるように感じたからなのです。この方ならお店に対してエールを送ってくれるのではないだろうか。元気をくれるのではないだろうか。絶対にこの方に会いたい!そんな想いが実現したのです。
その内容は私の見込みに間違いはございませんでした。 食べ物や飲食店に対する情報が書籍やネット上、特にブログという中で氾濫している時代。ブログルメなんて言葉まで生まれました。私たちはもちろんお客様を1回で満足させなければなりません。
でも、今の状態を見ると、1回の利用でお店の粗探しをされているようにしか思えません。どこかの誰かがお店を褒めると別の誰かが、それを否定する内容をアップする。実際山本氏などはその標的にされているように感じます。日刊紙の新聞上で「山本氏が絶賛していた○○に、早速行ってみました。山本氏は絶賛しておりましたが私から言わせれば・・・・」 もう始まりから「粗探し」です。原理原則としてお客様を満足させなければならないことは充分に承知しておりますが、私は良い時代に現場にいたのでしょう。
「お客様から育てられた」と感じながら仕事してこれたのですから。最初から斜めに見られているのです。その点でも山本氏は食べる側の資質まで言及なさいます。
「美味しいものを食べることより、美味しく食べることが大切」
「金を払えばなんでもして良いわけではない。お金はレストランと自分を繋ぐ架け橋でしかない。従業員と客であっても、それは人間関係だから、私は自分から先に挨拶をするようにしている」等々、聴講していてとても嬉しくなりました。
最後に講演の中から「ジュエル・ロブションはレストランを構成する要素のうち、料理は40%だ」と言っているそうです。 12月が来ます。何度も申しておりますが企業の大きな宴会は今年はありませんよ。小さなお仲間内の宴会を獲得することです。
普段の営業の質が問われる師走となるでしょう。

お客様応援室 KHM有限会社 出 和樹

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緊急提言!

痛ましい事故がございました。
11月22日に起こりました、高円寺「石狩亭」の火災であります。
ニュースの概要は以下の通りです。 22日午前9時すぎ、東京都杉並区高円寺南4丁目の雑居ビル「第8東京ビル」2階の居酒屋「石狩亭」から出火、2階部分の約130平方メートルが焼けた。この火事で、同店から逃げ遅れた従業員と客の男性計4人が死亡、ほかに男女12人がビルから飛び降りたり煙を吸うなどして重軽傷を負った。警視庁捜査1課と杉並署は調理中に火が燃え広がったとみて、業務上過失致死傷容疑などで詳しく調べている。  死亡したのは、別の飲食店の従業員で、客として同店を訪れていた竹井努さん(31)=北区東十条=、明田大悟さん(30)=杉並区高井戸東=と、同店従業員の60代と40代。同店従業員の2人は店内の厨房(ちゅうぼう)の外で倒れていたという。負傷者は男性10人、女性2人でいずれも20〜60代。  
警視庁によると、負傷した同店の店員は搬送される際に「厨房から火が出た」と説明。厨房で焼き鳥など焼き物を焼いていた火が壁に燃え移り、天井の装飾品などに延焼したとみられる。焼き鳥用のコンロはガス式だった。  店は午後5時から翌日午前10時までが営業時間で、出火当時、従業員4人と客20人がいたという。警視庁は23日午前に現場検証し、安全管理面などを調べる。 お亡くなりになった店舗スタッフの方々、客として災難に合われた「鳥貴族」様のスタッフの方。心よりご冥福をお祈り申し上げます。

これをお読みの経営者の方に提言します。

ダクト内部(Vバンクの更に奥のことです)のメンテナンスはなさっていますか?
ダクトは排気と共に油脂分を吸い込んでいます。当然油煙はダクト内部に溜まっていき、層を成します。これは火薬庫と 同じです。火が入れば引火し、状況によっては爆発します。目に見える範囲のメンテナンスはなさっていると思いますが、 内部は専門の業者でしかできません。年に1回で済むことです。内部の油脂分を除去すべきです。 また、トマホークの設置をお勧めします。経営状況の厳しい中大変とは思いますが、火事を起こし被害が出ることを考え ればお金で済むことです。 そんな業者がわからないということでしたら、お客様応援室でご紹介いたします。

火災を消火する最低限の知識と技術をスタッフに教育していますか?
水は炎を消すわけではありません。火事に水をかけるのは、水で炎を包み込んで、炎のエサである酸素を遮断して火を 消すのです。炎全体を包み込み程の水量がなければ、炎を熱が水を一気に蒸発させ水蒸気爆発という、更に火災を大きくする要因になります。 焼き台から火を上げない技術、万が一火が出た場合の処置方法、お客様の避難経路の確認等々、教育しなければなりません。

「起こりえる可能性のあることはいつか必ず起こる」マーフィーの法則です。この火災は、私は防げた火災だと思います。 「無知」「無関心」がこの事故を招いたと思います。 他山の石とならぬよう、ご提言申し上げます。

お客様応援室 KHM有限会社 出 和樹

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