- 第31回 『上面発酵』と『下面発酵』
- 2006.2.1
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柴田屋では世界の様々なビールを取り扱っていますが、今回はそのビールの分類について書いてみます。ビールは大きく分けると2つに分類されます
皆さんは『上面発酵ビール』や『下面発酵ビール』という言葉を聞いた事はありませんか?お酒を造る上で最も重要な工程に発酵があります。お酒と造る際には、様々な原料を酵母の働きによってアルコールに変化させるのですが、ビールもそうして造られるのです。
通常ビールは麦芽から麦汁をつくり、それにホップを加え、酵母の働きをで発酵させてつくります。
その酵母の種類により『上面発酵ビール』と『下面発酵ビール』の2つに分かれます。また一部には、酵母を人工的に加えず、自然の状態(空気中の酵母の働き)で発酵を進める自然発酵タイプもあります。
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下面発酵ビール(ラガー)発酵が終了に近づくにつれ酵母が発酵液の下面に沈殿するタイプの『下面発酵酵母』を使用し、低温(10℃前後)で発酵させたビール。低温で発酵させている為、発酵させた時の温度に近い低温(冷やして)で飲むのが美味しいビール。ピルスナーなどが代表的で世界の主流のビール。日本の大手メーカーの代表的なビールはほとんどがこのタイプ。上面発酵ビール(エール)発酵が終了に近づくにつれ酵母が発酵液の上面に浮上するタイプの『上面発酵酵母』を使用し、比較的高温(20℃前後)で発酵させたビール。発酵させた時の温度が比較的高い為、赤ワインなどと同様、常温に近い温度で飲むのが最適といわれていますが、冷やしても美味しく飲めます。イギリスのエールなどが代表的なビール。自然発酵ビール(ランビック)他のビールのように培養酵母を使用せず、自然発酵を行なう。野生酵母や乳酸菌の働きで独特の香りと酸味が強いビールとなります。まるで日本酒の『生もと仕込』や『山廃仕込』のようですネ!ベルギーのランビックが代表的なビール。
柴田屋酒店 深田良一