- 第71回 こだわり通信
- 2009.6.9
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いつもありがとうございます。
よく「分かるけどできない」とか、「何をすればいいか分からない」という言葉を聞きますよねー。
そんなときは、「まだ何もしなくていいですよ」と言ってあげてください。
なぜか???
次のことを一つの考えとして、参考にしてみてはいかがでしょうか?分かることと、知ること
「知っている」と「分かっている」ということは別のことだと思います。
「知っている」という状態からは「何をすればいいか」という思いや具体的な行動はわいてきません。無理に何かを始めてみてもうまくいかないものです。
ですから「知っている」だけの状態を「分かっている」と勘違いすると「難しい、できない」という気持ちが固定してしまいます。それを繰り返したり、「難しい、仕方がない」と言ううちに「できないのが当たり前」になってしまいます。そのままであれば自分も世界も変わりません。
「知っている」というのは単なる知識であって、決して分かっていることではありません。 そして単なる知識では行動できません。
例えば、「たばこが身体に悪いこと、周りに迷惑なことは知っているがやめられない」は、本当にたばこの害や迷惑が分かっていると言えるでしょうか。
「絶対たばこをやめない、やめられない」という人は、わが子のぜんそくの原因が、自分のたばこだと分かってもたばこをやめないでしょうか。ピストルを突きつけられてもたばこをやめないでしょうか。
そんなとき、「自分は知っているだけで、本当はまだ分かっていないんだ」という事実に気づけばもっと可能性が生まれてきます。
それに対して「分かる」というのは、気づきであり、ショックであり、意識が変わるということであり、言わば心、右脳、感情の領域で、これが身体を動かしているのです。
「何をすればいいのか分からない」「何もできない」というときは、「まだ分かっていないんだ」という現状を受け入れてみてください。 何かしたいという気持ちがわいてくるまで分かろうとすることが大切なのではないでしょうか?柴田屋酒店 柴健宏
- “KODAWARI”の良店紹介
串揚げ、揚げ揚げ、笑顔も上げ上げ
「あげもんや! 第一章串カツ酒場編」 -
昨年の9月にオープンしたばかりのホヤホヤの揚げたてです。はっきり言えばお店も味もまだまだ未知 数なのではないでしょうか。独立を目指して、昼に宅急便、夜に飲食の仕事をしてお店を持った児玉さ んは謙虚にそれを認めます。接客が得意できちんとお客様に接したいから、とんかつの経験があって、 揚げ物ならできるからと、串カツを選んだそうです。あくまで関西風の串カツにこだわり、べたな赤提 灯に惑わされず、明るいお店を造りました。お店に足らないものは何でしょうかとお聞きすれば、自分 自身ですと答えます。でも、東京の串カツ屋には行かない。やっぱり関西が基本だと思うから。地元の お客様にボトルを置かないとやっていけないよ。と諭されても、ボトルを置く店じゃない。もっと気軽 に一杯、串カツを数本でさっと帰ってもいい店にしたい。想いとスタンスはかっちりしています。
この新しいお店がなぜ、こだわりの良店なのでしょう?
取材をしているとまだお店が開いてもいないの に、近所の方が顔を出す。外から挨拶してくる。みんなお客様だそうです。大きなことは言わずにしっかりと地元に根付こうとしている。お客様に鮨職人の方がいるそうで、その方とコラボで鮨と串カツの パーティーをしたそうです。その時はお声をかけたお客様は皆さんいらっしゃってくれたとのこと。こ の短い時間の中でお客様を根付かせる、意欲、意識、行動はただ者ではありません。もう、中野新橋ですから、地元の方に愛してもらいたいです。お店はメニューも、何もかもまだまだで、足りていないことばかりです。夏に向かってメニューも考えていかなければならないし、毎日300本の串カツを仕込むのも、間に合っているとは言えません。 「あげもんや」は皆さんのお家みたいになれたらいいなあと思ってます。そのトッピングに串カツがある。そんなお店にしたいです。
あれ、オーナーのコメントがずいぶんと少ないと思った読者の皆さん。 右の写真が、このお店のすべてを語ってくれています。隣に写ってい る女の子は近所のお子さんだそうで、毎日黒板をチェックしにくるそ うです。これもまた、「あげもんや」の姿。 このお店が「第一章」。きっと素敵なパートナーと「第二章」「第三 章」と造っていけると思うのです。
住 所 中野区弥生町2-23-5
中野新橋下車、地上に出たら即左手の交差点を左折。
レトロな畳屋さんの隣。電 話 03-3383-9900 定休日 不定休 営業時間 17:00 〜 24:00 席 数 カウンター8席・テーブル8席 客単価 2,500円 お客様応援室 出 和樹
【今月の目次】
・こだわりの良店紹介「あげもんや! 第一章串カツ酒場編」
・「お客様応援室」より〜繁盛店を造る5
- 「お客様応援室」より~繁盛店を造る5
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こだわり通信愛読者の皆様、こんにちは。
梅雨はいつからかなあと温暖化はどういう風に影響するかなあと、元より稀少な脳細胞を「雨」の心配に使っている6月です。(書いているのは薫風香る季節ですが)毎年、いつから梅雨か考えていましたが、今はネットで長期予報が見られますので随分天候は予測できるようになりましたね。 天気を調べる習慣を持ったほうがいいですね。雨が売上げを左右するのでしたら、事前に予測しておくほうが準備に漏れがなくなりますから。発注も調整できますし。本当にインターネットは便利で、大概のことは書籍をひっくり返さなくても調べられますね。英訳もできますし、 でも、辞書を引かなくなるというのはオジサン的には寂しい気もいたします。
さて、本題です。前号でITEM(商品・武器)のお話しをいたしました。結論としてお店が持っているモノの現状に満足せず、磨いていかなければならないという結論でしたが、補足するとそもそも自分のお店の持っている強い武器、弱い武器を把握しなければなりません。この武器はどこにも負けない力を持っているからこれを前面に押し出していこう。この武器はまだ弱いから、重点的に改善していこう。もしくは、この武器はなかなか強くしていくことが難しいから、強い武器をもっと磨いて、これで勝負しよう。と選択は色々で良いと思います。 弱いところをあきらめてしまうのは「逃げ」なのですが、それぞれお店の特性や人の資質等々、お店は色々な要素が組み合わさって成立しているのですから、正論は正論かもしれませんがそれだけではないと思います。 何を持っているのか。何を使うのか。何を変えるのか。その分析と判断ができることが大切です。人から「こうした方がいいよ」と言ってもらっても、今はそれに触れる優先順位ではない。でも構わないのです。例えば私が強く押し出す接客という点でも、お店によってはお客様との接点の長さよりも、いかに早く提供することの方が優先順位が高い場合もあると思います。お客様の会話のテクニックを磨くことより、笑顔で元気であれば良い。こんな判断もあると思います。○SERVICE ○HOSPITALTY
サービスとホスピタリティと二つの要素をあげました。サービスとホスピタリティは一緒じゃないかと考える方もいると思います。以下の図のような捉え方をしているのではないかと思います。日本人は傾向ですが、情緒的なことが得意な民族ですのでホスピタリティの育成や理解はしやすい民族だと思いますが、それでも表現というと本当に難しく、教育に苦心しているリーダーも多いのではないでしょうか。ホスピタリティという観念の中にサービスがあるというのと、サービスという観念の中にホスピタリティがある。 いづれかで考えているのではないでしょうか。私はサービスとホスピタリティは違うのものだとここに提案します。次号でこの点を詳しく述べたいと思います。皆さんも考えておいてください。
お客様応援室 KHM有限会社 出 和樹